今更シリーズ 悦!ガイジン旅 1
今年は、夫の誕生日旅行に香川県へ行く事にした。
なぜ香川なのかというと、私達夫婦が愛してやまない日本酒、悦凱陣(よろこびがいじん)の蔵がある県だからである。(以下。ガイジンと表記する。)
数年前まで我が家は何年もの間ガイジンを切らせた事がなかった。しかしここ最近、手に入らなくなってしまった。マニアが増えたのだろうか。
ガイジンのない晩酌は物足りなく、私のお酒を呑む量は減った。それはいいい事なんだけど・・・。でも、ガイジンが呑みたい!という訳で香川旅だ。
8時10分東京発の、のぞみ15号。
朝食は車内で、夫が鱒の押し寿司、私は穴子の押し寿司。朝から贅沢である。
穴子寿司、しっぽの方から食べ始めたせいか、脂がのってないし、酢飯の酸味もあまり感じなくて炊き込みご飯っぽかったが、食べ進んでいくうちにちゃんと穴子寿司の味になった。
富士山がとてもきれい。
11時30分、岡山着。11時42分のマリンライナーに乗り換えた。駅のホームにアンパンマンと仲間達が全面にある電車が止まっていたので写真を撮ろうとしたら、発車してしまって、メロンパンナちゃんしか撮れなかった。
2階だての列車で1階の席だった。車窓から風景はほとんど見えず、海を渡っている時、ちらちらっと見える程度。橋の柱があるので、うまく写真が撮れなかった。2階席からはちゃんと見られるのだろうか。
12時35分、高松着。駅のロッカーに荷物を預けて街に出た。ここはうどん県。お昼はもちろんうどんを食べるのだ。
夫が予め調べていた、『玉藻うどん』というお店に行った。駅から15分近く歩いたかな。
ここはセルフじゃなくてカウンターに座って注文するスタイル。
瓶ビール(アサヒ中瓶)、天ぷら盛り合わせ、かけうどん大を注文。
歩いて暑くなっていたのでビールがとても美味しく感じた。
うどんは小でもよかったかも、というくらいたっぷり。とても美味しい。
完食して会計してもらったら1150円と言われて、ええっ!安い!!
しかしその値段はやっぱり間違いで、ビール代が入ってなかった。でも1700円。これだけ飲み食いしてこの値段は安いなあ。
お店を出て、玉藻公園へ向かった。歩いていたら、写真を撮っている女子高生のグループがいた。北浜alleyという、この辺りのオサレなスポットらしい。彼女達は学校で写真の勉強でもしているのか、写真部なのか。みんな一眼レフを持っていた。私もまねっこして数枚撮った。私のカメラは今年で6年目のコンパクトデジカメだ。
暗くなって灯がつくといい感じなんだろうな。
鞘橋という屋根付きの橋からは、ことでんの駅のホームが見える。(髙松築港駅かな?)
お堀の水がきれい。海水なのだそうだ。海藻がたくさん、モラモラ揺れている。
海水なので鯉ではなく、鯛がいる。別の場所にはフグ(?)もいた。多分。
これは鯛。
まつぼっくり収集ボックスというものがあった。
クリスマスにツリーを作るらしい。
鯛のエサを100円のガチャガチャで売っている。水辺に立つと、エサのおこぼれを期待した鳩がやってくる。
「なんかくれ」
しょーがねーなー、と鳩にもちょびっと情けをかける夫。
夫の手から鳩がエサをついばんでいる写真を撮ろうとしたが失敗。ピントが後ろに合ったボケ写真。
鯛の顔を撮ろうとしたけれど、やっぱりボケて恐怖写真になってしまった。
ひいいい!
駅で荷物を取り出してホテルへ行き、チェック・イン。ベッドが3つある部屋だった。夫はパソコンで調べもの、私はうたた寝などしてから、夕暮れの街に繰り出した。
まずは、夫が忘れたスマホの充電ケーブルを買うためにダイソーへ。店のいっぱいある都市部でよかった。
この辺りは長い商店街が縦横に延びていて飲食店も多く、金曜の夜という事もあるからか賑わっている。髙松一の繁華街だろうか。
2日目の晩に行くお店は予約してあるが、初日は行き当たりばったりで選ぼう、という計画だった。
店外の地酒メニューを見てガイジンと書いてある店をさがす。わりとすぐに、「ここ、よさそうだね」というお店があったので入れるか聞いてみたら、予約でいっぱいだった。
同じ道をぐるぐる回ってみたり、別の通りを歩いたりしているうちに、とある店の前の日本酒メニューで立ち止まった。数種類の地酒の中に、ガイジンの文字。とりあえず入ってみようか。何か違うと思ったら、さっさと2軒目にいけばいいんだから。
入口で靴をぬいで上がる、カウンターだけのこじんまりした店内で、私達が最初の客だった。ママさんが一人でやっているお店のようである。
まずサッポロの生ビールで乾杯。牛すじポン酢、とろろ鉄板を注文してみた。
とろろ鉄板、どんなものが出てくるのかと思ったら、まるで『ぐりとぐら』のカステラみたいな見た目。粉チーズが入っているのかな?美味しい。
ビールを飲み終わった。表の酒メニューにガイジンと書いてはあったが、注文しても、「ああ、今ちょうど切らしてしまって・・・」なんて事もありがちなので、
「日本酒は何があるんですか?」
と、さぐりを入れる夫。ママさんは
「××と、○○と、△△と・・・」ああ、やっぱり、と、心がしぼんでいくが、最後に
「・・・とガイジン・・」
よっしゃ!ガイジンが呑める!!しぼみかかった心が復活した。
出てきたのは 無濾過生純米阿州山田錦。ああ美味しい。
ガイジンを冷酒で呑むのは久しぶり。家ではいつも常温か燗だったから。
夫は冷酒を2杯、私は1杯呑んだ。
「お燗、してもらえますか?」と聞いてみたら
こころよく応じてくれた。錫のちろりを小さいお鍋で湯煎してくれたのが、とてもうれしい。ママさんにそれを言うと、
「だって、その方が美味しいでしょう。」
いいお店だ。
ああ、本当にガイジンのお燗は美味しい・・・。二人ともうっとり。
ガイジンは地元でも手に入れるのが大変になっているそうだ。なんでも、居酒屋新聞みたいなのに『次に来る酒はこれだ!』って感じでとりあげられてから、こういう状況になっちゃたらしいのだ。それが本当なら「余計な事しやがって!」である。ブーブー。
ちょうどこの日、久しぶりに1本だけ手に入ったというガイジンを、たまたま旅行者としてきた私達が呑めたのは、とてもラッキーな事だった。
ガイジンが出てきた時点で、このお店に腰を落ち着ける事がほぼ決まったので、食べ物を追加注文。ここはカウンターの上に大皿料理が数種類ある。普段はラップもかけていないような大皿料理は敬遠しがちなのだけれど(お客さんのつばとかタバコの煙とか浴びてそうな気がして。潔癖症という訳じゃないが。)私達が最初の客だし、美味しそうなので色々たのんでみた。
お麩と絹さやの卵とじ、ししゃもの南蛮漬け、ポテトサラダ、鶏レバー煮。
家庭的な味でとても美味しい。
呑んでいるうちに、常連の女性客が一人、そして少し後に同じく男性客が入って来て、少し賑やかになった。
トイレに行ったら、トイレットペーパーのホルダーカバーが、懐かしい感じのレースのフリフリ。ママさんの雰囲気に合っている。
お燗は2合×2呑んだ。貴重なお酒を、私達二人で半分以上空けてしまい申し訳ない、と謝ると、
「遠くからわざわざ来てくれたんだから気にしないで。」と言ってくれた。
いいお店だった。
コンビニに寄ってホテルにもどるはず、だったのだが夫が
「やっぱりアレが食べたい。」
と言う。「アレ」とは何かというと、骨付き鳥である。
旅行前、うどん以外の香川の名物を調べていた時にみつけたもの。
香川県公式観光サイトによると、『鶏の骨付きもも肉を1本まるごと、オーブン釜などでふっくら焼き上げたご当地グルメ』だそうで、若鶏と親鶏、それぞれあって、好みが分かれるらしい。
夫は是非とも親鶏を食べてみたいと言う。確かに私達の生活圏では流通していないだろう親鶏は私も食べてみたい。という訳で、2軒目のお店を物色する。名物だけあって、店外に『骨付き鳥』と書いてある店がいくつかある。数分うろうろしてから、「ここでいいか」と適当な店に入った。
まずは生ビール。それから親鳥を注文したのだが、店員さんの
「こちらは1人前になりますがよろしいですか?」
の言葉を聞いた夫が若鳥も注文した。確かに食べ比べないと違いはわからないか。でも食べ過ぎになりそうだなあ・・・。
お通しのホウレンソウお浸しだけじゃあ野菜が物足りないかと思って、葉ごぼうを注文。
でも実は、葉ごぼうってモノを知らなかった。出てきた見た目はフキみたい。葉ではなく茎の部分を中心に食べるようだ。油揚げと炒め煮にしてあって美味しい。
骨付き鳥、私達は二人とも親鳥派である。若鳥も悪くはないが脂が多いし、お肉の旨味と歯ごたえは親鳥の方が断然上だと思う。美味しい。食べ盛りの若い人だと、感じ方は違うかもしれない。
若鳥
親鳥
ビールが足りなくなって、結局クラシックラガーの中瓶を2本追加。
しかし、やっぱり2軒目でお肉たっぷりはきつかった。そしてのみすぎた・・・。
コンビニで2ℓの水を買ってホテルに帰った。
夫の次にお風呂に入ったが、出る頃にはすっかり酔いがまわってヘロヘロ。髪はふいただけで乾かす元気もなく、枕にタオルを敷いて、すぐに寝てしまった。(0時過ぎ)
4時20分頃トイレに起きるまでぐっすりだった。
追記
最初のお店で呑んでいた時についていたテレビのニュースで、騎手の後藤浩輝が亡くなった、と流れた。競馬好きな夫は大変なショックを受けていた・・・。