犬の笑顔はアハー

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旅の思い出 2013夏 5

 4日目。

 NHKでやっていた干潟の生き物番組を見ながら、納豆巻きとネギの味噌汁の朝食をとる。生き物たちがあまりに可愛らしいので函館にいる夫にメールしたら、おにぎりとネギの味噌汁の朝食をとりながら同じ番組を見ている、と返事が来た。

 

 長野県信濃美術館別館の東山魁夷館に行く、というのが今回長野に来た一番の動機である。美術館は善光寺の隣。前夜歩いた道を晴れた午前中に行くのはちょっと不思議な気分である。見える景色が違う。観光客も多い。

 腹ごしらえに12時少し前、参道にある昔ながらのお蕎麦屋さんに入った。蕎麦屋に入るとついつい天丼を食べたくなってしまうが、せっかくの蕎麦どころ信州。お蕎麦を食べなければ。シンプルに『ざる』にするか、贅沢に『ざる天ぷら』にするか、それとも『ざるとろろ』にするか。悩んだすえに『ざるとろろ』に決定。

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 美味しい。ビールは自制した。ごちそうさまでした。

 

 善光寺に近くなると、道行く人も増えてきた。あちこちの売店でソフトクリームを売っている。そういえば前に夫が長野一人旅した時、参道で栗ソフト食べて美味しかったと言ってたな、と思い出してキョロキョロ探したけれど見つからなかった。

 有名な、『牛にひかれて善光寺参り』の牛がかわいい。

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とても天気が良い日だった。

 

 美術館に着き、チケットを購入。本館では黒田清輝展の最終日で、本館別館両方見られる共通チケットもあると言われた。せっかくだから見たい気持ちはあったが、美術展のハシゴは精神的にも体力的にもつかれるだろうと、予定通り東山魁夷だけ見ることに。

 

 市川市東山魁夷記念館というのが我が家の近くにあるので、年に何回か散歩がてら出かけている。画伯は戦後、99年に亡くなるまでずっと市川にお住まいだったそうで

「戦後の絵はすべて市川の水で描きました。」

という言葉も映像で残っている。しかし原画は市川にはほんのちょっとあるだけで、その多くは若い頃からゆかりのある長野県に寄贈し、この東山魁夷館ができたそうである。

それを聞いたときから来てみたいと思っていたのだ。

 

 『Imagine』というテーマの展覧会を時間をかけて鑑賞。

《窓》、《静かな町》、《雪の城》、 詩画集《コンコルド広場の椅子》、等が特に気に入った作品。順路を後戻りして何度も見た。

 

 じっくり見てへとへと。黒田清輝をあきらめてよかった。

館内のカフェに入って そば白玉ぜんざい黒蜜がけ を注文。

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そば白玉は歯ごたえがあって美味しかった。

 おやつで元気をとりもどし、外に出た。まだ時間は早いけど、とりあえずのんびり駅に向かう事にした。参道を歩いていたら見つけてしまった、栗ソフトの店。でもおやつ食べたばっかりだし、その中には抹茶アイスが入っていたし、今回は見送り。

 

 駅周辺でお土産を見て回った。前日お茶した栗菓子屋さんで実家用に栗のダコワースを発送してもらう手続きをした。ついでに同じものをバラで二つ、自分たち用に購入。夫両親には駅前の東急でおやきを。夫姉夫婦には単身赴任している義兄と一緒に食べられるように日持ちするミニサイズの栗羊羹6個入りを駅の売店で。これも自分たち用にバラで二つ購入。

 帰りの新幹線は19時7分。まだまだ時間がある。夕食をどうするか。前夜に心ひかれた、いのしし串焼きとそばの実コロッケを思い出したが、せっかく行くなら帰りを気にしないでのんびりしたいし、夕べはちょっと呑みすぎたし、と思いを振り切る。お弁当でも買うかな。そういえば駅でおやきを売っていたっけ。それとビールでいいや、と決定。

 本屋で時間をつぶしてから、おやきを購入。野沢菜・ナス・ニラの三種類。そして待合室のベンチに腰かけてしばらく過ごした。

ベンチの真ん前には立ち食い蕎麦屋さんがあり、良い香り。あったかいおそばを食べたいけれど、おやき買っちゃったし、がまん。なんだか我慢と諦めと妥協の多い旅だったな。主に飲食関係で。

 多くの人がおそばをすすっているる待合室のその蕎麦屋さん、8月いっぱいで閉店するという張り紙があった。あら残念、次来た時にはここで食べようと思ったのに。でもよく見たら、この待合室自体が9月2日で閉鎖という張り紙もあった。そういえば駅内で工事しているところもあったし、リニューアルするのかもしれない。

室内のモニターには在来線の発着情報は出ているのに、なんで新幹線の情報はないのかしら、と思っていたらここは在来線の待合室で新幹線の待合室は新幹線改札のそばにあった。それに気づいたのは改札に向かった時だったが。

 改札を通り、電光掲示板で乗り場を確認しようと見上げたら、次の東京行き発車は19時30分となっている。あれ、私の乗る19時7分は?まだ19時前だよ。どうなってんだと思っていたら放送が入り、電光掲示板の内容は間違いですごめんなさい、だったので売店でキリン一番搾り500ミリ缶を購入。もう新幹線はホームに来ていたのであわてて乗り込んだ。

 とりあえずカンパーイ!とビールを飲み、おやきを食べた。

夫両親に買ったおやきは焼き色のついた、その名の通り焼いたものだったが、自分用に駅で買った方は、蒸したタイプ。野沢菜のはおいしい。ニラはちょっと甘めだけどビールに合う。ナスは・・・私には甘すぎだった。(そういえば長野では料理に砂糖をたっぷり使う人が多いと聞いたことがある。家庭によるのだろうが。)

おやきを全部食べてもビールがまだ残っていたので前夜買ったじゃがビーをつまみに飲んだ。飲みながら函館にいる 夫にメールしたら、「今夜の店サイコー!」と幸せそうに呑んでいた。よかったね。

 それにしても、ここまで読み返してみると、あれが食べたいこれが食べたい美味しい美味しくない、と飲み食いについてばかり書いている。いじきたないなあ私。ま、いいか。

 

 さよなら長野。また来るよ長野。次回は必ず小布施にいくぞ。

 

                    おしまい